イーストウッドとか

 家から出られないのでDVDを観ています。「ミリオンダラー・ベイビー」を待つ間に90年代以降のクリント・イーストウッドの主演・監督映画を一応観ておくつもりで、何本か借りてきました。俺はイーストウッドの評伝をほとんど読んでないんですけど、それでもこの人が主演映画で犯罪を扱うと、負う者と負われる者の内面的な類似が執拗に描かれるのは非常に気になります。「犯罪者に愛でられる男」の映画がすごく多い。あと、「良き家庭人」を演じることがほぼ皆無。妻子はいない・死んだ・疎遠のどれか。「許されざる者」は数少ない例外ですが、殺人鬼の経歴を持つ男の話だからな。なんにせよ、老境に達してもここまで主演映画に拘り続けるスターってあまりいないですね。
 昔、観た時よりもずっと面白いと思ったのが「シークレット・サービス」。フレッド・ジンネマンの「ジャッカルの日」にストーリーが似すぎている気がしてたんですが、今観ると単なる誤解だったかも。非常によく走る映画。この時にはもうイーストウッドは六十代なんだけど、長身のせいか走る姿がすごく綺麗です。
「地球最後の男」と「人類SOS!」も観ました。同じ低予算映画でも、脚本と演出と編集によってこうも出来に差があるんだな、というのがよく分かるカップリングでした。「地球最後の男」については日を改めて書くとして、「人類SOS!」はジョン・ウィンダム『トリフィドの日』の映画化で、子供の頃テレビで観た時はすごく面白いと思ってたんですが、今改めて観ると……