「LOVERS」

 午後から映画館へ。他にもっと観たい映画はあったんだけど、時間的にちょうどぴったりだったのがチャン・イーモウ「LOVERS」。思ったよりもずっと面白かった。舞台は唐の時代の中国。かつて盗賊「飛刀門」の掃討に力を尽くした二人の捕吏(金城武アンディ・ラウ)の前にチャン・ツィイー扮する盲目の踊り子が現れる……という以外はネタバレになるので書けないのだが、誰が敵で誰が味方か分からない状況で繰り広げられる三角関係の話。
 もっとも、メインキャスト三人の三角関係の話に絞らざるを得ない事情もあって、「姿を見せない飛刀門の謎の女頭目」の存在が物語の重要な要素になっているのに、それを演じるはずだったアニタ・ムイが急死しちゃってるのだ。かくして謎の女頭目は本当に謎のまま最後まで姿を現さず、物語上必要なはずの「政府軍と飛刀門の戦い」は描かれずじまい。そこから遠く離れた荒野で行われる決闘がクライマックス、というアンバランスなストーリーなのだが、恋愛に話を絞ったことで主演三人のキャラクターが特化された印象。むしろところどころアクションシーンが鼻につくぐらいである。
 アンディ・ラウ金城武に言い寄られまくるチャン・ツィイーの俺映画(「俺」じゃないか)なので、主演女優の次々変わる衣装と180度開脚を楽しめない人や、「この二人が取り合うほどいい女か?」とか考えてしまう人には多分不向きだ*1

*1:俺には向いてる。