資料でも何でもなく。

 杉勇楔形文字入門』(講談社学術文庫)。19世紀あたりの古代文字の解読って、先人とは知識のバックボーンの異なる異才が数十年に一度現れて、ドカンと進展するというパターンが多い気がするな。
 保阪正康東條英機とその時代』(ちくま文庫)。東條英機の功罪について語るには、1930〜40年代前半の日本の政治状況への俯瞰的な視点がないとあまり意義がないと思って読んでみた。この分野について知りたければ欠かせない基礎文献じゃないだろうか。大著。
 前々から「俺が無性に読みたくなる古書は復刊が近い」という妙な法則が。先日、ソルジェニーツィンの『収容所群島*1の後半をどうしても読みたくなって、なんとなく予感がしてググってみたら、
http://www.fukkan.com/bookhist.php3?no=2396
 復刊決定。古書店を漁らなくてよかった。新刊で手に入る本は新刊で欲しい。交渉期間が結構長きにわたっている。「国内外の関係各位の合意」とあるから、色々複雑な経緯があったのではないか。
 他には山口貴由シグルイ』1〜5巻。志村貴子青い花』1巻。二ノ宮知子のだめカンタービレ』14巻。

*1:ソルジェニーツィンの詳細な調査による、ソ連強制収容所についてのノンフィクションの大著。著者自身も思想犯として収容された経験を持つ。もう九十歳近い。