『イボグリくん』他

『イホグリくん』復刊……って絶版だったのか。大学生の頃『山上たつひこ選集』に収録されたものを読んだ。物凄いマンガだと思ったけど笑った記憶はない。『イボグリくん』には「主人公が終始狂っている」のみならず、「物語全体も終始狂っている」第二話*1も…

資料でも何でもなく。

杉勇『楔形文字入門』(講談社学術文庫)。19世紀あたりの古代文字の解読って、先人とは知識のバックボーンの異なる異才が数十年に一度現れて、ドカンと進展するというパターンが多い気がするな。 保阪正康『東條英機とその時代』(ちくま文庫)。東條英機の…

最近読んだモノ。

ロバート・R・マキャモン『スワン・ソング』、サミュエル・R・ディレーニイ『バベル17』、二ノ宮知子『のだめカンタービレ』13巻、平田弘史『薩摩義士伝』5巻、三浦健太郎『ベルセルク』29巻、森達也『A』。『スワン・ソング』、今まで読まなかったことを…

森暢平『天皇家の財布』(新潮新書)

ほとんど報じられない天皇家関連の予算編成や財産についてまとめた本。興味深い内容だとは思うけど、どっちかっていうと俺が知りたいのは宮内庁の記者クラブの財布だな。天皇家にまつわる予算編成の硬直性やその運用の曖昧さを指摘するのは意義がある。でも…

刑務所の前

本屋に行ったら花輪和一『刑務所の前』(小学館)の二巻が出てたので買う。①16世紀の種子島の鉄砲鍛冶の娘の話、②44マグナムとコルト・ガバメントの実銃を手に入れてレストアする「花輪和一」の話、③拘置所での生活、という全然関係ない三つの話が完全同時進…

安藤健二『封印作品の謎』(太田出版 ISBN:4872338871)

「怪奇大作戦」の「狂鬼人間」や、「ノストラダムスの大予言」など、なんらかの事情で発表が出来なくなった映像作品についてまとめた良著。 こういうのって封印されたことで逆にムダに評価が高まる気がする。「狂鬼人間」等は俺も見る機会があったのだが、「…

『ザ・スタンド』

本棚を整理していたら、スティーヴン・キング『ザ・スタンド』が出てきた。そんな時間はないだろと思いつつ一気読み。俺が持ってるのは何年か前に出たハードカバーの完全版で、今文庫で出ているバージョン。上下二段組で1400ページって読むのはともかく書く…

瀧川政次郎『日本行刑史』

仕事があまりにも忙しくて、オークションのことをすっかり忘れていた。くそう。心を慰めるために、注文しておいた瀧川政次郎『日本行刑史』(青蛙房)が届いたので仕事の合い間にざっと読む。人足寄場を作った長谷川平蔵について多くの紙数が割かれている。…

泡坂妻夫『大江戸奇術考』(平凡社新書)

日本で手品が演芸の一ジャンルとして定着したのは、江戸時代中期の頃らしいが、案外手品の歴史についての本は少ない。一般書としてかなり充実した内容。 ところで、キリシタン関連の資料を読んでいた時にふと思ったのだが、江戸時代の排耶書に登場するキリシ…

シオドア・スタージョン『きみの血を』(ハヤカワ文庫)

長らく絶版だったスタージョンの異色作。高価すぎて手が届かなかったのだが、ようやく復刊された。一人の若い兵士が恋人に宛てた異様な手紙が検閲に引っかかり、精神科医である主人公が兵士を尋問する。兵士は突然暴れ出して病院に収容され、その過去を探ら…