香港映画のすべて(訂正済)

 NHKのBS2で三時間に渡って放映していた「香港映画のすべて」、予約をすっかり忘れていて、最初の一時間近くを録画できなかった。さっき仕事上がりに残りの二時間をざっと見ていたのだが、かなりイイ。「武侠映画」「カンフー映画」「女優」の三つにテーマを絞り、豊富なインタビューと映像資料を交えながら香港映画の歴史を解説。香港・シンガポール・日本の共同制作で、とにかく充実した内容だ。
 日本未公開映画の映像目白押しで、デビッド・チャン主演の「新獨臂刀」とか、香港初のカンフー映画黄飛鴻伝」の映像とか初めて見た。特に主人公が斧を腹に突き刺した状態(致命傷)で十五分も戦い続ける「馬永貞」、メチャクチャ観たいんですけど。
 ショウ・ブラザーズ以前の香港映画に言及しているのもこの手の番組では珍しい。どなたか最初の一時間を録画した方、いらっしゃいませんかね? マジで。
 とにかく面白かったけど、特にクララ・ウェイのこの発言はすごいな。

 ワン・ユーと共演したシーンの撮影を憶えています。ワン・ユーが私のお腹を強く殴るシーンで、ウッとパンチにリアクションするんです。クッションになるものは一切ありませんでした。(中略)。二十回以上も殴られました。ワン・ユーはすごく強く殴るんです。その日は何も食べていませんでした。水を飲んだだけだったのに、殴られて外に出ると吐いてしまいました。そしてまた戻って殴られるといった繰り返し……その間、ずっとボロボロ泣いていました

 クララ・ウェイは終始笑顔で喋っていたが、まだこの時十代の女の子だったらしい。少しは手加減というものを……
 ところで、さっきまでワン・ユー=王羽=ジミー・ウォングだと誤解してました(詳細はコメント欄。ご指摘ありがとうございました)。実際は汪禹。クララ・ウェイが語っているのも「爛頭何」(1979)でのエピソード……だが、ワン・ユー繋がりということで↓

片腕カンフー対空飛ぶギロチン [DVD] ジミー・ウォング監督・主演「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」

 ちなみに、今夜は同じ時間帯でキン・フーの「大酔侠」を放映するらしい。DVDも発売されてるけど、お持ちでない方は是非。